この記事は 中級者 上級者向け です
11月第3木曜日のボジョレー・ヌーヴォー解禁までもうすぐですね!
今回はマニアックにクリュ・ボジョレーについて解説していきます
クリュ・ボジョレーと、ボジョレー・ヌーヴォーは厳密には違います
違いから説明していきますね
ボジョレー概要
ブルゴーニュ地方の南部、マコネ地区よりさらに南にあるのがボジョレー地区。
クリュ・ボジョレーは、ボジョレー地区の北部にまとまっています。
地図の青紫~紫色以外のカラフルな箇所がクリュ・ボジョレーです
ボジョレー・ヌーヴォーとは?
ヌーヴォー=新しいという意味で、ボジョレー地区の新酒です。
クリュ・ボジョレー地区では、ボジョレー・ヌーヴォーとしてリリースできない規定があるので
それ以外のボジョレー地区のブドウを使ってつくられます。
ボジョレー地区南側と、クリュ・ボジョレー以外の一部北側の畑の平坦な土地の畑のものが多いので、
チャーミングな果実で早飲みタイプのフルーティなボジョレーがつくられます。
ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーとは?
ボジョレーヌーヴォーよりも、ブドウがよく成熟するため、より力強く肉付きがしっかりしているのが特徴です。
A.C.ボジョレー(地図:ピンク色)とクリュ・ボジョレー(地図:カラフルな箇所)の間にあるのが、ボジョレー・ヴィラージュです。
38個の村で構成されており、畑の格・品質ともにワンランク上のボジョレーという位置づけです。
ボジョレー・ヴィラージュでは、赤、白、ロゼの生産が可能。
しかしそのほとんどが赤ワインで、白ワインとロゼワインはごく少量のみ生産されています。
クリュ・ボジョレーとは?
ボジョレー地区の中で、区画名(畑名)を名乗ることが出来る優良畑で、10個あります。
斜面中腹部に位置し(日照や水捌けなどのバランスが良い)、ガメイが好むとされる花崗岩ベースの土壌が多い。
花崗岩質の特徴
粗い粒で、粒のそろった岩石で、柔らかでバランスの取れた、香り高いワインになる
クリュ=畑、級 を意味します
人気の高いクリュ・ボジョレーは?
ムーラン・ナ・ヴァン、モルゴンあたりでしょうか
エレガントな味わいのサン・タムールも人気が高いですね
10個のクリュ・ボジョレー解説
骨格しっかり・ボリューミータイプ、エレガントなタイプ…と分けて説明していきます
ムーラン・ナ・ヴァン Moulin-a-Vent
クリュ・ボジョレーの中でも長期熟成が可能な畑。10年ほどの熟成も可能!
ムーラン・ナ・ヴァン=風車の意味
色が濃く、力強い骨格と肉付きのいい果実味が特徴。最もコクがある
標高230~390mに畑があって、斜面はマンガンを含んだ赤みがかる花崗岩。平地は重めの沖積土。上質なワインはほぼ斜面から生まれる。
モルゴン Morgon
ムーラン・ナ・ヴァンと同様、長期熟成向き 8~10年ほどの熟成も可能
力強く厚みがあって、肉付きの良い果実味とほどよいタンニンが特徴。
生産量も比較的多い。
斜面上部は花崗岩質。ピィ山の周辺は火山性の青色片岩。
ジュリエナ Julienas
サン・タムールの西側で、背後に山がせまり、サン・タムールより高く、畑の斜面が厳しい。
ジュリエナの北側はマコネ地区のサン・ヴェラン。
瘦せていて花崗岩はあまりなく、ほぼ火山性土壌で片岩質と泥灰質を含む
コート・ド・ブルイィ Cote de Brouilly
ブルイィの中心に、標高500mの小高い丘(ブルイィ山)があり、その山裾を取り囲む斜面が コート・ド・ブルイィ。
ブルイィよりも標高が高く、ミネラルとストラクチャーに富み、若いうちは非常にパワフル。
山の南と東は火山性の青色片岩(ピエールブルー)。西は花崗岩
ブルイィ Brouilly
クリュ・ボジョレーの中では最南端に位置し、最大面積を誇る
ブルイィの南側にはボジョレー・ヴィラージュが広がる
平野にあり、クリュ・ボジョレーで1番標高が低く、ふくよかで丸みがある
色々な土壌が存在するが、斜面の上質な畑は花崗岩質が多い
レニエ Regnie
繊細で柔らかい、フランボワーズの果実の香りと爽やかさが魅力。
レニエの西の奥手にボジョレーの名前のもとになった古都Beaujeuの村落がある。
1988年にクリュ・ボジョレーに昇格しており、それ以前はボジョレー・ヴィラージュとしてリリースされていた。
ほぼ花崗岩質。標高が高い
シェナ Chenas
クリュ・ボジョレー最小の産地。Chenas=樫の意味
昔、広大な樫の森で覆われていたと言う伝説に由来する。
ミネラルとコクのバランスが取れている。
畑の標高は、250~400mとやや高め。土壌は花崗岩質。
サン・タムール Saint-Amour
クリュ・ボジョレーの中で1番北側に位置する村で、サン・タムールの北部はマコネ地区のサン・ヴェランがある。
※最北に位置するが、1番標高が高いのはシルーヴル
Saint-Amourは、“愛の聖人”という意味だが、ローマ時代の戦士の名前が由来らしい
畑は標高250~470メートルで、土壌は花崗岩質、片岩、粘土質、砂岩、沖積土など多様。小石が多い。
フルーリー Fleurie
ムーラン・ナ・ヴァンの南側に隣接しているクリュで、クリュ・ボジョレーの中央部に位置。
花やレッドチェリーのようなエレガントなスタイルが多いですが、
畑の土壌によっては、ムーラン・ナ・ヴァンに匹敵する骨格のしっかりとしたワインに仕上がります。
花崗岩ベースで、砂質土壌が多いが、一部粘土質土壌もあり。
シルーヴル Chiroubles
フルーリーとモルゴンに挟まれた西側の奥手の山側にあり、クリュ・ボジョレーの中で一番標高の高い位置(700m)にある。
柔らかな赤い果実の味わいが、エレガントで優しく、クリュ・ボジョレーで1番軽やか。
濃厚さや力強さこそ欠けるが、早飲みできるすっきりしたワインは「ボジョレーのシンデレラ」などと呼ばれ、フランスでの人気は高い。
一部風化して砂質化した浅い花崗岩土壌。
ボジョレー・ヌーヴォーと合わせて、クリュ・ボジョレーも探してみてください♪
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