20世紀の100年間にリリースされたサロンは、わずか37ヴィンテージ。
それゆえに価格が上がり続けても、多くの人々から愛される幻のシャンパーニュ、サロン。
1911年に初めてリリースされたとされており、ファーストヴィンテージは1905年ヴィンテージ。史上初のブラン・ド・ブランである。
※ラック・コーポレーションの資料より
サロンの概要
メゾンの裏手にある1ヘクタールの自社畑『ル・ジャルダン』に加え、ル・メニル・シュール・オジェの選ばれし19の小さな区画のみから、今もなおサロンのためのブドウが収穫されています。
サロンはつねに単一ヴィンテージのシャンパーニュであり、厳しい基準に満たない年には、潔くサロンの醸造を断念します。
だから、20世紀の100年間にリリースされたサロンは、わずか37ヴィンテージしかつくられていない、という訳なのです。
ドュラモットとの関係性
DelamotteはSalonの妹のような存在、とよく耳にしますが、ドュラモットの歴史は実はサロンよりも長く、250年前にさかのぼります。
サロンを生産するにあたって、選果の際おしくも基準に満たなかったブドウや、サロンの生産を見送りにしたヴィンテージのブドウは、ドュラモットにまわす、というような話を聞いたことがありますが、少し異なるようです。
サロンのブドウは、すべてル・メニル・シュール・オジェ産ですが、
ドュラモット・ブラン・ド・ブラン・ミレジメは、ル・メニル・シュール・オジェに加えてオジェ、アヴィズ、クラマン、シュイィ、オワリィの6つのグラン・クリュのブドウを使用しています。
コート・デ・ブラン地区の6つのグラン・クリュのブドウを全て使うというのは、他に例がないそうで、ドュラモット・ミレジメの品質が大きく向上したそうです。(2008年ヴィンテージより)
生産本数は?
年間生産量はヴィンテージによって異なるものの、年間約60,000本ほどといわれている。
ボルドーの5大シャトーが年間約20万本、DRCのロマネ・コンティが年間3,300本といわれるので、
サロン、意外と本数多い??と思うかもしれませんが、約60,000本のうち、ほとんどは高級レストランに提供されるため、
個人消費者が手にできるのはわずか7,000本といわれています。
1982年ヴィンテージ
2年続きの不作ののちに訪れた秀逸な年。バランスに優れ、とても繊細でエレガント。
シャンパーニュ地方ヴィンテージ情報
シャンパーニュ地方含めフランス全体の評価も高く、グレートヴィンテージのひとつです。
ぶどうにとっての理想的な生育条件が揃った、稀有な年でした。また収穫も、前年の3倍という十分な量で、全てにおいて申し分ない年でした。
サロン以外も多くのメゾンが、プレステージュ・キュヴェをリリースしています。
1983年ヴィンテージ
フィネスがあり、まろやかさをもつ年。リッチでクリーミー、力強く、余韻もすこぶる長い。
1985年ヴィンテージ
あまりの力強さにゆえに1988年の後にリリースされた。パワフルにして複雑な、類まれなるヴィンテージ。
シャンパーニュ地方ヴィンテージ情報
1984年の不作から一転し、フランス全土で偉大なワインが生まれた年でした。
収穫量は少ないものの、高品質なぶどうが成熟しました。
1988年ヴィンテージ
フィネスとパワフルさの両立したヴィンテージ。モーツァルトを思わせる優雅な旋律。
1980年代では1988年が偉大なヴィンテージとも。
長い間閉じており、控えめであったが、真価を発揮したときにその偉大さを痛感する。
シャンパーニュ地方ヴィンテージ情報
春の悪天候から厳しい条件が続きましたが、豊かな日照量があった年でした。
収穫時期は例年より遅めでしたが、熟度も酸度も高いぶどうができました。特にシャルドネが理想的に成熟しました。
1990年ヴィンテージ
サロンにおける最高ヴィンテージのひとつ。完璧なバランス。永遠にその美貌を持ち続ける。
シャンパーニュ地方ヴィンテージ情報
フランスだけでなく、ヨーロッパ全体が素晴らしい年でした。シャンパーニュ地方では、88年、89年、90年と、傑出した良年が3年続きました。
1995年ヴィンテージ
儚げな一方で骨格のしっかりした、特異な年。かつてないマルセル・プルースト的な趣を持つ風味。
シャンパーニュ地方ヴィンテージ情報
ぶどうの展葉の時期に、氷点下の気温に見舞われることもありましたが、その後は順調に推移した年でした。夏は暑く、熟度、酸度ともに充実したブドウができました。
1996年ヴィンテージ
アルコールも酸もともに高かった偉大な年。高い山の頂上を目指すような、雄大な味わい。
シャンパーニュ地方ヴィンテージ情報
力強さとシャープさを兼ね備え、長期熟成に耐えうるシャンパーニュができる、熟度も酸度も高くてしっかりしたぶどうができた優良年でした。
1997年ヴィンテージ
シルクのように繊細で、女性的なスタイル。宙を舞うような浮遊感を持ち、ピュアな性格が際立つ、魅力的なヴィンテージ。
おとなしそうに見えるが、内容は濃く大きな喜びを与えてくれる。(サロンの社長:ディディエ・デュポン氏談)
1999年ヴィンテージ
月食のあった年。アルコールが高く、酸は穏やか。完璧な熟成を求まるなら、さらに10年寝かせたい。
シャンパーニュ地方ヴィンテージ情報
例年より気温が高く、降水量も多い年でした。酸度は低めですが、ぶどうは健康的に成熟しました。
特にシャルドネが高品質でした。
2002年ヴィンテージ
驚異的なポテンシャルを秘めた、21世紀の幕開けにふさわしい、偉大なヴィンテージ。日本刀のようにシャープな切れ味。
繊細でエレガントでしかもパワーがある。正確なアロマが素晴らしい。(サロンの社長:ディディエ・デュポン氏談)
シャンパーニュ地方ヴィンテージ情報
日照量の多い、乾燥した暑い夏で、より濃厚で凝縮感のあるぶどうが育った年でした。特にピノ・ノワールが理想的に成熟しました。
2004年ヴィンテージ
豊潤な果実味を持つ洗練された味わい。火打石のようにスモーキーなミネラル感に、ほんのりメントールのニュアンス。
率直でストレート。ピンと張りつめた緊張感を漂わせながら、ブリオッシュにように香ばしいイーストの風味も伴う。
2004年は涼しく雨がちな8月の天候によりブドウの成熟が遅れたが、9月初旬の晴天でそれまでの遅れを取り戻し、9/23に収穫がスタートした。酸味を十分に保ちつつ、望外な熟度に達したシャルドネが実り、すべての自然条件がそろったヴィンテージである。
シャンパーニュ地方ヴィンテージ情報
ブドウの成熟がゆっくりだったので、遅めにはなりましたが、酸度は保持された健康なぶどうが収穫された年でした。
2006年ヴィンテージ
若いうちから優雅なフィネスと優れたバランス。
2007年ヴィンテージ
非常にアロマティックで、可憐さやフィネスが強調されたエレガントなヴィンテージ。
2008年ヴィンテージ
寒暖のコントラストによって濃縮された風味とフレッシュな酸を兼ね備えたブドウが結実したヴィンテージ。
サロン史上最も収量の少ないヴィンテージとなったことで稀少さと類を見ないブドウの成熟による仕上がりが、伝説のヴィンテージに比肩する今世紀を代表する1本となった。
全て1,500mlのマグナムで8,000本しか生産されておらず、2004、2006、2007の直近3ヴィンテージとのセット販売でしか入手できないという噂も。
シャンパーニュ地方ヴィンテージ情報
夏の温度差が激しかったために、十分な熟度のぶどうができ、また酸度も高めで、バランスの取れたぶどうが収穫できた年でした。2000年代になり、歴史的なシャンパーニュのグレート・ヴィンテージのひとつです。
2012年ヴィンテージ
繊細でエレガントだが、力強さも兼ね備えている。
2002年に似ているとも。
パーカーポイント98⁺を獲得している、出来栄えのいいヴィンテージ。
シャンパーニュ地方ヴィンテージ情報
予測のできない2012年の気候の力強さと寛大さに育まれたもの。降水量が多く雹が降った暑い夏から、暖かく乾燥した秋など、多様な気候のなかで育ったブドウは品種、地方、村、畑の区画において、それぞれが良好なコンディションに。
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