この記事は 初心者さん 中級者さん におすすめ
ドイツワインって難しそうなイメージありませんか?
そもそもラベル読みづらいし、見た目もみんな細いボトルで似てるし…。
辛口を選んだつもりだったのに、飲んでみたら甘口だった…とか。
私は経験ありです。ソムリエ試験勉強のときもドイツは苦手意識がありましたね…
現に受験1年目の時はドイツを捨てました(もちろん不合格でした笑)
そんな苦手意識の強いドイツワインでですが、コツをつかんでしまえば、お店で自力でドイツワインを選べるようになります!!
この記事では、ドイツリースリングの選び方にフォーカスしてご紹介していきますね。
ドイツワインのラベルを見るポイント
大きく分けるとこれだけです!詳しくみていきましょう!
1 アルコール度数を見る
甘さを比較するのに手っ取り早い方法です。
とくにリースリングを選ぶときによく参考にしますね。
目安として赤ワインの辛口だと12%~15%
白ワインの辛口だと11%~14%のものが多く、
10%以下あたりになってくると中辛口~甘口のものが多いイメージです。
8.5%のリースリングは甘口なんだね?
しっかり甘口です。食後酒か、フルーツやデザートと合わせたいですね。
12~13%以上なら辛口
12~11%くらいならやや辛口
11%以下だとやや甘口
(しかしエチケットはTrockenだったりするのでややこしい)
9%以下だといわゆる甘口の部類となります。
Trocken??と思ったら、ご参考までに
1‐2 アルコール度数とブドウの糖度について
ご存知の方もいるかと思いますが、ワインのアルコール度数はブドウの糖度によって決まります。
なんか難しい話になってきたな…
ワインを作るプロセスにアルコール発酵というものがあります。
圧搾したブドウジュースを発酵タンクに移し、酵母(微生物)を添加することで、
ブドウ果汁の糖分を分解してアルコールと二酸化炭素に変えます。そして糖分がなくなると自然に発酵が止まります。
そのため糖度が高いブドウを使って作られたワインは、アルコール度数が高くなりやすい傾向にあります。
また、ブドウの収穫時期によってもアルコール度数が変わります。
通常の収穫時期よりも1週間以上遅らせる手法を”遅摘み”といい、
遅摘みのブドウは果実に糖分が凝縮されるため、アルコール度数は上がりやすくなります。
カリフォルニアの赤ワインで人気が高いケイマス・カベルネ・ソーヴィニヨンは、
わざと過熟させてから収穫することで有名ですよね。
で、ドイツではどうなの?
ドイツワインでは、遅摘みにしてブドウの糖度を上げることで甘口に仕上げることがあります。
そもそも年間平均気温が9~10℃と冷涼で日差しも弱いため、ブドウの糖度上がりにくく、酸っぱいワインになりやすい特性があります。
札幌とか函館と同じくらいの平均気温ですね…
とはいえ、近年は温暖化の影響でブドウが熟しやすくなってきているといるそうですが。
パリよりも北、北海道をさらに北上した樺太と同じくらいの緯度だから寒いのです…。
だからこそドイツのブドウ畑は、川沿いの斜面に広がっており、日照効率のいい場所にあるのだと思います。
その昔、甘味というもの自体が貴重だったころは、甘口ワインは非常に高級品でした。
(シャンパーニュも昔は甘口が主流でしたからね)
とはいえ、甘口ワイン、とくに貴腐ワインなどは収穫したブドウは干しブドウ状になっているため、得られる果汁もごくわずかです。
大量生産できないし、コストもかかるため、昔も今も高価であることは変わりないでしょう。
2 Trockenかどうか見る
Trocken(トロッケン)=辛口の意味です。
ドイツワイン法で定められているもので、残糖値4g/l以下のものを指します。
ちなみにHalbtrocken(ハルプトロッケン)=やや甘口で残糖値9~18g/l 、
Lieblich(リープリッヒ)=甘口で残糖値45g/l以下です。
ちょっと難しすぎるのでトロッケン=基本辛口と思ってもらえれば大丈夫です!
基本、というのはモーゼル産のTrockenの中には、やや残糖を感じるものもあるからです。
3 生産地を見る
アルコール度数と、Trockenかどうかを見ればもう選べるのですが、
それでも迷うときは、産地を見てみましょう。少し上級者向けですね。
3‐1 Mosel モーゼル
ドイツ・リースリングの主要産地。
ドイツで最も古い産地だといわれています。冷涼だが急斜面に畑があることで日照量を確保している。
以前は甘口ワインのイメージが強かったが、近年は辛口も増えてきています。
軽めのボディでアルコール度数も低め、酸味が高いのが特徴。
『黒猫の座った樽のワインが最もできが良い』という伝説から誕生した『ツェル村の黒猫』という名のワイン。
Zeller(ツェル村の)、Schwarze(黒い)、 Katz(猫)という意味。やや甘口の飲みやすいスタイルが多いです。
3‐2 Rheingau ラインガウ
モーゼルと肩を並べるリースリングの主要産地。
ラインガウは、生産量の90%がリースリングで、輸出量も高いため、日本での知名度も高いですね。
年間平均気温は10℃前後で冷涼で穏やかな気候。
豊かなミネラル感と、比較的マイルドな酸味が特徴です。
ラインガウはドイツ5大畑のうち4つを擁する銘醸地。 若手醸造家を育成するガイゼンハイム大学が位置するドイツワインをリードする産地でもあり、 恵まれた環境と高い技術力によってドイツで最も高品質なリースリングが生産されています。
3‐3 Rheinhessen ラインヘッセン
ドイツ最大のワイン産地。
以前は量産甘口ワインの主要産地だったが、今は高品質ワインの産地へと変わっています。
リースリング以外も多く栽培されている。
当時はまだ量産甘口ワインのイメージが強かったラインヘッセンにて、
2001年に若手生産者団体「Message in a bottle」を立ち上げ、ワインメイキングの情報交換の場を設けた生産者。
2017年にはその後継団体となる「Maxime Herkunft Rheinhessen」を設立し、州独自の畑の格付けを実施。
3‐4 Franken フランケン
河の下流、少し内陸に位置する。
ボックスボイテルと呼ばれるぼってりとしたボトルの形が特徴的。
リースリングよりも、ミュラー・トゥルガウやジルヴァーナーの栽培量の方が多いです。
ペアリングのおすすめは?
筆者は甘口のリースリングとスコーンやパイと合わせるのがお気に入りです
冬だったら、シュトーレンともとっても合いますよ。
チーズだったら?
あまりくせのないセミハード系のチーズ(コンテやゴーダなど)や
青カビチーズ(ゴルゴンゾーラやフルム・ダンベール)とも相性いいですよね。
甘口ワイン×ブルーチーズのペアリングは永久不滅ですね
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