この記事はワイン 中級者向け 上級者向け です
フランス・ブルゴーニュ、白ワインの有名産地のひとつ、
ムルソー村の1級畑の特徴について詳しく解説していきます
ムルソーは、グラン・クリュこそないが、ブルゴーニュ白ワインの名を口にする際に
必ず出てくるのが、このムルソー。非常に人気の高い銘譲地のひとつですね。
中世にはクロ・ド・ヴージョと並んで重要なブドウ畑があったとされます。
Meursault の特徴
Mur(ムー)はフランス語で壁の意味
昔ここに要塞があったからだ、という意見もあるそうです。
ムルソーの北側は、モンテリとヴォルネイになります。
ムルソーの山あい側に、オーセィ・デュレスとサン・トーバンが位置します。
試験頻出! 1er cru Santenots プルミエ・クリュ・サントノについて
ムルソーとヴォルネイの間にプルミエ・クリュ・サントノがあります。
赤ワインだと、「ヴォルネイ・サントノ」、白ワインだと「ムルソー」に変わるイレギュラーな畑ですね。
JSA試験にもよく出ます。
プルミエ・クリュ(1級畑)は村の南部、ピュリニー・モンラッシェ側から始まります。
上の地図でグレーの箇所は市街地ですね。
ムルソーのシャルム、ペリエール、ジュヌヴリエールの御三家と呼ばれたりもします
各畑の特徴を順番に見ていきましょう!
Meursault 1er cru Charmes プルミエ・クリュ・シャルム
Charme=魅力の意味
ムルソー御三家の中で1番ムルソーらしいムルソーといわれています。
特徴
ムルソー村の南部。ムルソー1級畑で最大。
ムルソー・プルミエ・クリュ・ジュヌヴリエール、ぺリエールに隣接。
また、ピュリニーモンラッシェ・コンボット、レ・ルフェールに隣接。
味わい
芳醇なアロマに、深みのあるリッチな果実味を備えた、豊満なスタイル。
Dessus(ドスュ)=斜面の上部側と、 Dseeous(ドス)=斜面の下部側があり、
Dessus(ドスュ)の方がより優れているという声が多い。
Meursault 1er cru Perrieres プルミエ・クリュ・ぺリエール
Perrieres=石切り場の意味
畑にも小石が多く、テロワール・味わいともに複雑。
ムルソー御三家の中でトップという声も多い。
特徴
ムルソー村の南部。ピュリニーモンラッシェ・シャン・カネに隣接。
ぺリエールはムルソーのプルミエ・クリュの中でも格上とされる。
味わい
石灰土由来の豊かなミネラル感と果実味が特徴で、プルミエ・クリュ・シャルムよりエレガント。
Meursault 1er cru Genevrieres プルミエ・クリュ・ジュヌヴリエール
特徴
ポリュゾの南側に位置し、ぺリエール・シャルムの北側に位置する。
19世紀半ばには、ジュヌヴリエールはモンラッシェに次ぐ評判を呼んでいたこともあるという。
Genevrieres Dessus(ドスュ)=斜面の上部側と、Genevrieres Dseeous(ドス)=斜面の下部側がある
味わい
土壌はやや粘土が多い、ボリューム感あり。
ハシバミをしのばせる特有の香りと優美さが特徴。
人気の高いぺリエールよりも秀逸なワインを生むという評価もある。
ムルソー御三家の紹介はここまで!
このあと登場するポリュゾ、ブシェール、グートドールも生産者によっては
御三家を凌ぐクオリティになることも多々あります!
Meursault 1er cru Poruzot プルミエ・クリュ・ポリュゾ
Poruzot=割れた石の意味
特徴
ジュヌヴリエールの北側に位置し、レ・ブシェール(ドメーヌ・ルーロ)や、レ・グート・ドールに隣接。
斜面は若干東北東に回り込んでおり、Poruzot Dessus(ドスュ)=斜面の上部側と、Poruzot Dseeous(ドス)=斜面の下部側がある。
味わい
ポリュゾで造られたワインには密度と凝縮感があり、力強さとしっかりとしたストラクチャーとミネラルを兼備。
Meursault 1er cru Les Boucheres プルミエ・クリュ・レ・ブシェール
Bouchons=茂みを意味する
特徴
レ・グート・ドールとポリュゾに囲まれた立地。
ドメーヌ・ルーロの有名なモノポール、プルミエ・クリュ・クロ・デ・ブシェールは
ここの畑の中のどこかにあると思われる…
味わい
洗練されたスタイルが特徴。花を思わせる軽やかさを持ち合わせている。
Meursault 1er cru Les Gouttes d’Or プルミエ・クリュ・レ・グート・ドール
Gouttes d’Or=黄金の雫という意味 Gouttes=滴 d’Or=金色の ですね
名前も素敵ですし、味わいも生産者によっては御三家を次ぐクオリティになる場合もあります。
特徴
丘陵の東北東に向いた斜面で、表土が薄く、石灰を多く含んだ土壌が特徴。
味わい
酸と硬質なミネラルを兼ね備えたムルソーの中でも特に人気の1級畑。
この次からムルソー村の中でもサン・トーバンやブラニィが近い山あい側のプルミエ・クリュを紹介していきます!
Meursault 1er cru Blagny プルミエ・クリュ・ブラニー
ムルソー村とピュリニー・モンラッシェ村の間に位置する小さなプルミエ・クリュ。
地図にはSous Blagnyと書いてあるが、エチケットにはBlagnyのみ表記の生産者が多い。
Sous(スー)= ~下にの意
特徴
標高が300~350mと高いことにより南向きにもかかわらず涼しいためエレガント。
12世紀からシトー派の修道士たちに絶賛されていた畑といわれている。
味わい
ミネラル感があり、酸味が強く、ミントや白い花の香りに続いて柑橘系果実のバランスも良い。
Meursault 1er Sour le dos d’Ane プルミエ・クリュ・スー・ル・ド・ダーヌ
有名な所有者はドメーヌ・ルフレーヴ。
かつてピノ・ノワールが植えられており、ブラニー・スー・ル・ド・ダーヌの名で出荷されていた。
1995年、赤から白へ植え替えを始めた(AOCの規定による白はムルソーに)
特徴
肥沃な泥灰土と石の多い土壌。
味わい
魅惑的なアロマを放ち、豊満な果実味にしっかりとした酸とミネラルの風味を備えいます。ムルソーらしい濃厚な味わい。
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